211223
今aikoの『青空』を聴いている。
恥ずかしながら、aikoの曲で知ってるといえばカブトムシくらいで、ニワカとすらも名乗れないほどだが、この『青空』という曲はとても好きだ。
雑にまとめると離婚した女性を歌った曲なのだが、aikoの言葉というのは実に特別だなと感じる。
誰かのブログで「aikoは特別性をもって恋/愛を切り取る」とあったが、まさにその通りだと思う。
この曲の歌詞の白眉は
「そっと薬指を縛る 約束を外しても ほどいて無くしても」
「まだ気をつけて服を脱ぐこのクセは」
「なかなか抜けないな」
だと思う。
自らの身体に刻みこまれた所作により、愛の喪失を再認識する。
この表現の美しさといったらない。
音楽も、初っ端はキラキラキラと明るいスタートを切り、全体としても青空を思わせるようなポップな曲調だが、間奏のシンセがどことなく悲しみを滲ませるような音色だ。
自分がどれだけ喪失感に駆られても、悲しみに暮れて涙を流しても、世界は全く意に介さずに青空を見せてくる。
その皮肉っぽさが歌詞にも音楽にも表れている。
光があれば必ず影ができる。暗く落ち込む様を、影ではなく光で表現するのが見事で、初めて聴いた時に純粋に食らってしまった。